コーダの気苦労
次女の高校の三者面談で、次女と連れ立って行く機会があった。
今までは、それぞれに予定があったりして、学校には別々に行っていた。
二歳の時から保育所に預けていた次女とは、2人だけで出かけることはめったになかった。
これからもこんな機会はないだろうから、少し早い目に家を出て、お昼は明石駅でお店に入って食べた。
帰りもアスティア明石でウィンドウショッピングしたり、魚ん棚でたこ焼きを買ったり、ぶらぶら歩きを楽しんだ。
家に帰って、次女が、お母さんといっしょやったらどうのこうのと言っている。
「何で?」と聞いてみた。
「だって、駅でどこかのおばあさんが『この電車、大阪まで行きますか?』って聞いているのに、お母さん耳聞こえへんから知らん顔してるでしょ。うちが間髪を入れずに『あ、行きます、行きます。』って言うたんやで。すぐ言わな変な人やと思われるやろ。お母さんをフォローするの、気ぃ遣うわ。」
「それに、お店の人が話しかけてんのに、ずっとうちが返事しなあかんやん。」
「三者面談だって手話通訳連れてきてほしくないし、通訳なかったら全部うちが話しなあかんやん。」
それに、それにと、まあ次から次と、文句ばっかり。
「兄ちゃんの 気持ち、よー分かったわ。」と言う。
長男といっしょの時は、私の方が気を遣う。
話していても、「声が大き過ぎる。」って怒るし、私は、“普通の人”からはみ出さないか見張られているみたい。
発音も、細かいとこまで厳しいし。でも、これはこれで有り難い。他の人はなかなかここまで教えてくれない。
イントネーションが違って、なかなか上手く言えない時は、私が知っている言葉で同じようなイントネーションの言葉を使って教えてくれる。
「これはな、ここが震えなあかんねん」と、自分の唇や喉を触らしてくれる。
字幕のないテレビのニュースを、私に分かるように伝えてくれたり、こっちが頼まなくてもいろいろやってくれている。小さい頃からずっとだ。
道を歩く時も、後ろから来る車や自転車から“お母ちゃんを守って”くれていたし。
今、子供たちは、社会人・大学生になり、自分が普通の人と何か少し違っているということに気が付いてきたようだ。
子供たちは、コーダ。
Children Of Deaf Adults
聞こえない親を持ち、何かと気苦労が多いようだ。
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コメント
お久しぶりです。
毎日暑いですね。
お子さん達、ずいぶんと頼もしいですね。
投稿: ともっち | 2011年8月12日 (金) 22時46分
ともっちさん、コメントありがとう。
お元気ですか。
双子さん達、大きくなられたでしょう。
ともっちさんのブログ、長いこと更新されていないので、どうしているのかなと思っていました。
投稿: ことちゃん | 2011年8月17日 (水) 15時18分